旭川荘は昭和32(1957)年の開設であるが、最初に受入れた海外研修生は昭和40年代で、韓国からの研修生を受け入れている。その後も長期研修、視察などが続いた。
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われわれが欧米から学んだ社会福祉制度、ノーマリゼーション思想、地域ケアシステムなどをアジア各国へ情報発信し、アジア各国からの情報も受け入れていこうという姿勢から海外研修生を受け入れていてる。
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以下にまとめた海外研修生受け入れの状況は、昭和54(1979)年研修センター開設から平成17年度までのものである。
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表1
国別研修生数 |
表2
職種別研修生数 |
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国名 |
人数 |
中国 |
130 |
韓国 |
113 |
タイ |
38 |
フィリピン |
20 |
香港 |
14 |
マレーシア |
14 |
シンガポール |
14 |
スリランカ |
13 |
台湾 |
6 |
ブラジル |
5 |
ミャンマー |
5 |
その他 |
32 |
合計 30カ国 |
404 |
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職種 |
人数 |
教師 |
99 |
施設職員 |
77 |
看護師 |
62 |
行政職員 |
55 |
ソーシャルワーカー |
34 |
医師 |
32 |
学生 |
11 |
理学療法士 |
7 |
臨床心理士 |
4 |
言語療法士 |
4 |
事務職員 |
4 |
保育士 |
3 |
作業療法士 |
3 |
通訳 |
3 |
栄養士 |
2 |
ケースワーカー |
1 |
ボランティアコーディネーター |
1 |
プログラムコーディネーター |
1 |
保健婦 |
1 |
合計 19職種 |
404 |
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表1のように、今日までに30カ国、404名の研修生を受け入れている。30カ国は主にアジアの国々で、人数の多いのは中国、韓国、タイ、フィリピンの順である。遠くはブラジル、コロンビアと南米からの研修生もあった。
職種の内訳は表2に示すように、教師、施設職員、看護師、行政職員、ソーシャルワーカー、医師が多く、アジアにおける福祉、保健、医療、教員のリーダーとなる人材の育成を目指している。職種は19職種におよび、いずれも専門的な研修を望んでる。
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また、表3で研修期間を見ると、1ヶ月未満241名、1ヶ月以上3ヶ月未満53名、3ヶ月以上の長期研修生は63名である。 |
表3 招聘機関別、研修期間別研修生数
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1ヶ月
未満 |
1ヶ月〜
2ヶ月 |
2ヶ月〜
3ヶ月 |
3ヶ月〜
4ヶ月 |
4ヶ月〜
5ヶ月 |
5ヶ月〜
6ヶ月 |
6ヶ月
以上 |
合計 |
国際協力事業団
(現 国際協力機構) |
94 |
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94 |
全国社会福祉協議会 |
3 |
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7 |
5 |
6 |
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21 |
黒住教 |
33 |
4 |
1 |
8 |
2 |
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48 |
旭川荘 |
115 |
21 |
29 |
6 |
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9 |
23 |
203 |
その他 |
29 |
3 |
1 |
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5 |
38 |
合計 |
274 |
28 |
38 |
19 |
8 |
9 |
28 |
404 |
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研修センターを開設した昭和54(1979)年に、国際協力事業団から短期研修生を受け入れて以来、約30年間に期間が1ヶ月未満の研修生274名を迎えた。このほか、昭和59(1984)年からは全国社会福祉協議会から委託されたアジア各国からの研修生を毎年受け入れている。
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国際協力事業団、全国社会福祉協議会から委託されたアジア各国からの研修生が昭和54年から15年間にわたって多数訪れている。
昭和55年から約10年間にわたり、民間団体である黒住教、林原株式会社がスポンサーとなってシンガポール、韓国、タイ、フィリピンなどから研修生を受け入れた。研修は旭川荘が担当した。
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研修期間は研修生の希望を取り入れ、研修内容によって決めている。日常的な日本語を理解し、日本の福祉の特性をつかむためには、半年の研修期間が必要である。しかし、それぞれの母国で日本語、日本文化の基礎的な学習を済ませての来日であれば、研修期間は短縮することができる。 |
研修は目的を明確にしつつ、我々の海外で受けた研修の経験、これまで海外から迎え入れた経験を活かして研修プログラムを組んでいる。
研修生受け入れの基本には比較文化的視点を重視し、相互に学び合うという姿勢を貫くところにおいている。日本の現況を学ぶとともに、帰国後どのようにこれを活用するのかという点に心配りをしている。比較医療福祉学、国際医療福祉学の体系化を構想しなければならないという認識である。
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