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ごあいさつ

命あるもの よいもの 美しいものを造るために

社会福祉法人 旭川荘 理事長 末光茂

 社会福祉法人旭川荘は、「敬天愛人」―天を敬い人を愛する人間尊重の精神を基本に総合医療福祉施設をめざし、昭和31年6月川ア祐宣先生により設立されました。医学界、経済界、宗教界、行政など各界の方々のご支援を受け、肢体不自由児施設「旭川療育園」、知的障害児施設「旭川学園」、乳児施設「旭川乳児院」の三つの施設で出発しました。

 それから60余年、川ア祐宣初代理事長、江草安彦第2代理事長、末光茂第3代理事長のもと、旭川荘はそれぞれの時代の要請にこたえて、各種の施設の開設、地域活動の展開に努めてまいりました。今日では、岡山県及び愛媛県に、障害医療福祉、知的障害福祉、身体障害福祉、高齢者福祉、児童福祉、地域医療、相談支援、研修・研究の8分野の医療福祉サービスを展開し、施設数は80を越え、利用者はおよそ2,400人、職員も約2,100人にのぼっています。また、奉仕活動をしていただいているボランティアの方々にも多くお越しいただき、海外からは中国、ミャンマー、ベトナムなどの視察者や留学生を迎えています。

 旭川荘は、障害者や高齢者、幸薄い小児の「医療福祉」を実践する場として設立されました。そして、地域の医療福祉ニーズを科学的に把握し、地域社会の文化観、生活観に根ざしたサービスを提供しようと努めてまいりました。  こうした先駆性、科学性、倫理性、文化性といった創立の精神は、今日まで役職員が活動し発想する基点となって旭川荘を支えています。さらに、今日では、よりグローバルにものを考え、行動するために、国際性という視点も加え、旭川荘の活動の精神的支柱となっています。

 旭川荘の荘歌ともいうべき「ゆずり葉」(作詞 河井酔茗)の詩の中に、親が子供に向かって、「みんなお前たちにゆずってゆくために いのちあるもの、よいもの、美しいものを、一生懸命に造っています」と呼びかける一節があります。この詩のように、旭川荘は、「命あるもの、良いもの、美しいもの」を今の人に伝え、そして次に来る人に伝えるため、一生懸命よりよいサービスの提供、運営に努めてまいりました。

 旭川荘は、今日まで多くの方々に支えられ共に歩んでまいりました。皆さんに感謝を捧げますとともに、先人達の遺志を継ぎ、創立の精神である「敬天愛人」、すなわち生命の尊厳、すべての人の共生できる社会の実現を目指しさらに前進を続けてまいる覚悟であります。