旭川荘は、重い身体・知的障害のある方や、要介護度の高い高齢者が多く利用されています。私たちが最も重視しているのは、どんなに重い障害でも、一人一人の個性を見極め、それに合った「オーダーメイド」のサービスを提供すること。画一的なサービスに比べて職員の努力を要しますが、その分、利用者の人生の輝きも、職員のやりがいも大きくなります。
今では当たり前になった「医療と福祉の連携」。旭川荘は外科医の川﨑祐宣(初代理事長)が設立して以来、医療と福祉を融合したサービスを行ってきました。それは医療職と福祉職が協力・連携するだけにとどまらず、その人の人生全体を見て、医療も福祉も一体となって総合的にサービスすることを意味しています。荘内には障害者専門の医療機関があり、各施設にも医療職が配置・派遣されていて、荘全体で取り組んでいます。
旭川荘は1956年、当時としては画期的な総合医療福祉施設を目指して設立されました。まだ日本の障害者ケア体系が確立していない時代に、施設入所だけではなく在宅障害者への訪問通所ケアに取り組み、日本で4番目となる重症心身障害児施設を開設するなど、常に道なきところに道を作ってきました。現在も、初代理事長の「現状維持は退歩である」を合言葉に、新しい事業を創造し続けています。
ひらたえがお保育園
他では受け入れが困難な重度の発達障害児や医療的ケア児を、健常児とともに育成する「インクルーシブな保育園」を 開設(2019年)。
カレッジ旭川荘
大学への入学が難しい知的障害者等のために、福祉サービス事業を活用した「大学形式の学びの場」 を開校(2017年)。
ケアの質の向上や職員間での成果の共有を目指して、職員の研究活動を奨励しており、年1回、荘内で学会発表の機会が設けられています。また、職種別、職階別の研修のほか、人権研修、リスク管理研修、ハラスメント研修など体系的な研修を行っており、常にスキルを磨くことができます。
先進的なサービスを学ぶため、国際学会や研修・視察などさまざまなかたちで欧米に職員を派遣し、成果を旭川荘に取り入れています。また、中国、韓国、タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジアなどアジア諸国との間でも、旭川荘の知見を伝え、相手国からも知識を得る「学びあい」の精神のもと、年間数十人に及ぶ研修生・介護留学生の受け入れや現地での交流事業などを積極的に行っています。
旭川荘は多くの地域に施設を設けていますが、単に事業の拡大を目的としているわけではありません。重度の障害者等のケアなど「旭川荘ならでは」のサービスでお役に立てるよう、常に地域の人々や自治体などのニーズに対応しながら、サービスを展開しています。また、地域とともにある社会福祉法人として、自主的な「社会貢献活動」にも積極的に取り組んでいます。